author : ダニエラ

ダニエラのNHKワールドドキュメンタリー映画:金沢紀行」 前編

加賀百万石の城下町の玄関口、金沢駅は、鼓をイメージしている柱が印象的な「鼓門(つづみもん)」と、ガラス張りの巨大な「もてなしドーム」が印象的です。
鼓の形の門は、金沢の伝統芸能『加賀宝生』の土地を象徴させ、また、高さ30m、3019枚のガラスと
パイプで出来ている大屋根は、雨や雪の多い土地で濡れないようにという雨傘をイメージしています。
北陸地方でも、金沢は曇りの日が多く、典型的な日本海側気候。 1年を通して雨が非常に多い地域の特性からか、「弁当忘れても傘忘れるな」という金沢の格言があります。
その金沢の格言から来た金沢を訪れる人にさし出す傘のイメージは、「おもてなしの心」を表わしています。
伝統的な美意識と現代美が融合した、他に類を見ない駅舎は、2011年(平成23年)、アメリカの雑誌、トラベル・レジャーの「世界で最も美しい鉄道駅」の一つに選ばれました。

金沢の「百万石まつり」は、加賀藩祖・前田利家公が天正11(1583)年6月14日、金沢城に入城し、金沢の礎を築いた偉業をしのんで開催されています。

金沢駅東広場の「鼓門」をバックに出発セレモニーがはじまりました。
加賀鳶による「まとい総ふり」から勇壮な太鼓演奏、獅子舞行列が行なわれていきます。
直立した梯子の上で一人の演者が威勢の良いかけ声と共に身軽な仕草と熟練した技を披露する「はしご登り」には、感激しました。沿道のお客さんは、「金沢を作った前田利家公はすばらしい。そして、伝統をもとに今もこれからも発展していくお祭り」と私に話してくれました。

次に訪れたところは「兼六園」です。百万石前田家の庭園として造られた特別名勝で、日本三名園の一つに数えられます。
土地の広さを最大に活かして、いくつもの池と、それを結ぶ曲水があり、掘りあげた土で山を築き、多彩な樹木を植栽しています。園内には、自然の高低差があり園路を登っていくと、奥深く静かな雰囲気が、高台に行くと、池の周りの広々とした様子に変わり、眼下には、城下町が一望できるようになります。ガイドさんからも、相反する景色でありながら、調和されている庭の素晴らしさの説明を受け、本当に素晴らしい。感動しました。
「ねあがりの松」は、本来なら地中にあるべき松の根っこ四十数本が地上2mほどせり上がっている。不思議な松です。兼六園の園内には松の木が約800本もありますが、その中でも1、2を争う黒松の名木で、加賀藩13代藩主の前田斉泰(なりやす)のお手植えと伝えられています。樹齢約200年、高さ15m以上の堂々とした姿に「パーフェクト」と手を合わせてきました。この生命力にあやかりたい。

次に訪れたのは、加賀友禅伝統産業会館。加賀友禅の世界をわかりやすく展示してあり、
体験できるスペースです。
奥ゆかしく繊細な,加賀友禅の世界を学ぶことができます。
加賀友禅は「加賀五彩」とよばれる五色で構成され、京友禅より沈んだ色調が特徴です。
デザインは、武家風の落ち着いたもので、「ぼかし」や「虫食い」などの表現をします。
私も染付けを体験。加賀友禅の職人、森田耕三さんに教わりながら、小花にピンクの色を染めていきました。
筆の先を、まるくまるく動かして、とても可愛い作品に仕上がりましたよ。

また、森田さんからは、ご自分が制作した「加賀友禅ギター」を見せてもらいました。
加賀友禅の技法で染めたちりめんをボディーに貼り付けたアコースティックギター。
「伝統工芸の新たな魅力と可能性を提案し、モダンで楽しいをテーマに作った」と話してくれました。今までのイメージと全然違う。加賀友禅の世界が広がります。彼の演奏にあわせて、私も踊りましたよ。楽しかった。
また、2015年春の「北陸新幹線 開業」を目指して、新幹線を描いた加賀友禅のタペストリーも見せて頂きました。
これを、来場者が少しずつ彩色して仕上げていくの。出来上がりが楽しみです。

わたしも着物を着せてもらい、街を散策しました。
加賀友禅らしい、少し銀色がかったねずみ色の訪問着。落ち着いた雰囲気は金沢に良く似合う。
途中に着物を着たカップルに記念撮影を求められてしまいました。若いカップルの着こなしも現代風で、黒と赤い番傘のコントラストがステキでした。

途中で金箔のショップに立ち寄り、九谷焼を見ました。
九谷焼(くたにやき)は、石川県南部の金沢市、小松市、加賀市、能美市で生産される色絵の磁器のことです。
歴史は、江戸時代初期の1655(明暦元)年ごろにさかのぼります。九谷焼の特徴は、「呉須(ごす)」とよばれる藍青色で線描きし、「五彩」とよばれる、赤・黄・緑・紫・紺青の5色での絵の具を厚く盛り上げて塗る彩法。絵柄は山水、花鳥、など絵画的で大胆な上絵付けがなされており、力強い印象なのですが、古典の久谷焼きの器に「あれっ、スペード?」。そうなんです。デザインにスペード板が入っていたのです。昔から、新しいものを取りいれていることが発見できて驚きでした。すごい!!

次に、私が訪れた「ひがし茶屋街」。美しい出格子がある古い街並みが残り、昔の面影をとどめています。夕暮れ時になると
灯がともり、茶屋から三味線や太鼓の音が聞こえてきます。タイムスリップしたような感覚の中で、目指す先は、「懐華樓」。
金沢ひがし茶屋街の中ほどにある金沢で一番大きなお茶屋です。金沢市指定保存建物として、昼は一般に広く公開しています。
夜は一見さんお断りを通していて、今もなお一客一亭で華やかなお座敷が上げられています。
今日は、特別にお座敷に参加させていただきました。
玄関を入り、花嫁のれんをくぐると 別世界でした。華やかな赤い漆の階段は、迎えに出る女性たちを華やかで色艶やかに見せるそうです。女将さんも、芸妓さんも美しい。芸妓さんは、加賀百万石の城下町・金沢の歴史と伝統文化が息づくなかで、芸を磨き、もてなしの心を今に受け継いでいます。芸事にはいくつか種類があり、「立ち方」(踊り)、次に「鳴りもの」(お囃子)鳴りものには太鼓・鼓、大太鼓、笛があり、これらを合わせて「一揃い」といい、それぞれの師匠のところで稽古をしければならない。そして、これらを修めてから覚えるのが「地方」(三味線と歌)というのです。
お座敷という空間に存在するすべてのものは、料理、調度品、芸妓さんが身に付ける着物からかんざしなど、それは素晴らしい伝統の技が集結して出来た
一流のものばかりで、金沢の文化の集大成といえるものでした。
伝統の重さを感じていたら、女将さんが私に襖(ふすま)を見せてくれました。すごい襖ですねと言ったら、「アメリカのアーティストが描いて行ったんですよ。」と教えてくれました。

伝統は、同じことを守るだけでは長く続かない、古いものと新しいものを融合していくことで長く続いていくということが、今日の訪れた先々でよくわかりました。

金沢のテーマである「保存と開発の調和」「伝統と現代の調和」がしっかり息づいていることを強く感じました。
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