author : ダニエラ

「ダニエラのNHKワールドドキュメンタリー映画:金沢紀行」 後編



「金沢の台所」近江町市場に来ました。約185店舗が食材や生活用品など販売しています。近江町市場の魅力は新鮮で豊富な品揃え、威勢のいい売り子の声が響きます。私も圧倒されてしまいました。そして対面販売ならではのコミュニケーション。旬の食材の調理法などお店の方が教えてくれます。試食もさせてくれて、お買物の楽しさを味わえます。こんなやり取りはスーパーでは味わえないので、すごく楽しい。みんな親切に話しかけてくれて、あれを食べろ、これを食べろと勧めてくれるの。
鮮魚店の横を通ると、新鮮な魚がいっぱい並び、そこで、うにを試食させてもらいました。すごいフレッシュ!クリーミーで甘いの。
次に、能登の岩ガキも試食。大きくてプリプリ。殻をもって、つるつるっと夢中で食べました。そして、白えびのかき揚げも食べさせてもらいました。
お隣の富山県の富山湾は、天然のいけすと呼ばれる魚の宝庫、生きているものは水晶のように透きとおった淡いピンク色をしており、「富山湾の宝石」とも称されます。
そんなシロエビをから揚げでいただきました。サクサクして、美味しいかったです。
お腹がいっぱいと思っていたら、「ふぐの糠漬け」が目に付きました。
「ふぐ?あの猛毒を持っているふぐだよね?」
ふぐの子と言われる、ふぐの卵巣の糠漬は、ふぐの卵巣を塩漬と糠漬し、2年以上発酵し熟成させた食品です。「世界的に珍しい」とか「奇跡の食品」と紹介されることが多いようですが、何と言っても ふぐの卵巣には猛毒が含まれていますから、何回も断ったのですが、お店のおばさんは「大丈夫」と何度も勧めてくれるので、試してみることにしました。というか、あきらめました。熱心におばさんが言ってくれるから、食べてあげないと申し訳ない。恐々、手を出すと、手のひらに山ほどの「ふぐの子」をのせてくれました。
「美味しいでしょ?」とおばさんが微笑みかけるので、味わってみると、「しょっぱいけど
スモーキーな味、なんかキャビアのような・・・」と感想を言っていると、口の中のふぐの子がなくなって、「もう一個食べていい?」と聞いていました。
やっぱり美味しいものにはかないません。
ふぐの卵巣の毒が塩と糠に漬けることによって、無毒化され、ふぐの子は食べても安全になり、味わい深い製品になるということがわかりました。

私は、この不思議な発酵食品「ふぐの糠漬け」の魅力を探るために、作っているところを見せて頂くことにしました。

途中、ヤマト醤油味噌さんに立ち寄り、味噌をねかせている味噌蔵を案内していただきました。蔵独特の香りに触れ、昔の職人が作った約3トンという大きな木桶を実際に見て、
日本人が育んできた醸造文化に触れました。お醤油のアイスも食べてみました。
新しい感覚のスィーツです。

さて、いよいよ 金石の油与商店に到着です。ちょうど魚の干物を作っていた寺尾高明さん、幸代さんご夫妻が出迎えてくれました。高明さんは、油与商店の7代目店長です。
早速、ふぐの子の作り方を見学します。

まずは、石川県で捕れる「ごまふぐ」の内臓を除去する作業から始まります。
お腹の臍の部分から口のあたりまではさみを入れて、切り、素早く内臓を除去します。
一瞬でした。すごい!!
その際、丁寧に取り出した卵巣は塩漬けします。

取り出した卵巣は、約半年塩漬けします。 水分が抜け固く締まった卵巣を木桶に米糠、麹、いしる(うるめいわし由来の魚醤)を丁寧に加え漬け込んでいきます。

高明さんは「ふぐの糠付け」はスローフードだと言います。長い年月をかけて、自然の恵みで美味しくしていく。

伝統の製法には、こだわりがあります。創業以来、 大切に使われ続けてきた木桶には、長年にわたり染み込んだ味とそこにいる無数の微生物が発酵の手助けをします。

木桶も人と同じく、古いものでは100年経っています。
100年息づいている、息をしながら四季を超え生きているからこそ、美味しい糠漬けが出来上がるのです。

石川県は日本で有数の雨量の多い地域です。湿度の高さが、自然発酵に大いに役に立つのです。漬け込んだ桶を貯蔵している蔵は、この気候に慣れ親しんだ土壁のものです。
この蔵の壁にも無数の微生物が存在し、この蔵が生み出す自然の力が発酵を手助けし、美味しい商品を作る大きな役割を担っています

また、暑い時期に糠が発酵しすぎてしまうため、桶が倒れやすくなっています。桶の積み替えをし、圧を強めに調整することにより、旨味が桶の中により一層凝縮される意味もあります。

この積み替え作業の際、木桶をひとつひとつ丁寧に洗っていきます。発酵する桶には余分な油や汚れなどが出てきますが、きれいに洗うことにより桶の中の糠漬けに老廃物が入り込まずに、美味しさを維持できるということです。

私も塩漬けを手伝いました。寺尾さんのお母さんにほめてもらってうれしかった。
「Good job」よくやった、いい仕事だ、良い出来栄え。
伝統の手仕事は丁寧で美しかったです。

出来上がった「ふぐの子」を見せてもらいました。2年以上発酵させて熟成させた
ふぐの子は、きれいでした。
大きくて、香ばしい美味しい匂いがしました。

こんか漬けと加賀野菜をつかって、幸代さんと一緒に料理を作りました。
「クリームスパゲティ」にはすごくよく合いました。
その他、「ソテー」「ジュエリーBOX」はカラフルに仕上げました。
「カプレーゼ」にも挑戦。トマトの間に挟んでみました。なかなか評判が良かったです。
そして、メニューの中でも「ふぐの子のテリーヌ」は大絶賛でした
みんなが美味しいと言ってくれました。喜んでくれて本当に良かった。
ふぐの子の味が変化して、深い味になりました。

〆はお茶漬けです。何杯でも食べられそう。糠がもつ風味、発酵が生み出すうま味が贅沢な味です

高明さんは「先人が残してきたものに、今の新しいものを取りいれて、次の世代に伝えていきたい」と話してくれました。

金沢は食文化においても、伝統を守りつつ、新しいものを取りいれ
進化を遂げていくでしょう。

私は、金沢でたくさんの人たちに出会い、伝統文化を学び、その中で、
金沢のテーマである、保存と開発の調和の精神を感じ取りました。

「加賀友禅燈ろう流し」が始まりました。水の芸術とも言われる加賀友禅と川のつながりに感謝を表すとともに、この業界に携わってこられた先人の霊を慰め、水供養として今後の加賀友禅の繁栄を願います。

約1200個の燈ろうが夜の浅野川を彩り、想いを乗せて行きました。

素晴らしい金沢の旅でした。
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